ケンジツ

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すべての企業が導入検討することになりそう 書評 サブスクリプション・マーケティング

サブスクリプション・マーケティング モノが売れない時代の顧客との関わり方

という本を読んだ。

 

サブスクリプションとは定期購入のことだ。

新聞を毎朝届けてもらって月額費用を払うのもサブスクリプションしてるということなので、昔からある仕組みだ。

もっとも最近はアマゾンプライムやNetflixなどのほうが身近だろうけど。

 

いまなんでもサブスクリプションになりつつあるということがこの本で説明されている。

 

髭剃り、シャンプー、石鹸、トイレットペーパーなど、買うことが習慣になっているものはすべてサブスクリプションになるだろう。

 

アマゾンが定期お得便という継続して買う場合に勝手に届けてくれて、しかも割引になるサービスを提供しはじめている。

まだ対象となっていない商品が多いけど、これの範囲が拡大していくと、定期的に買う前提の消費財は大部分が飲み込まれていくに違いない。

 

先日紹介したボタン1つで再注文を出せるアマゾンのダッシュボタンと使いわけられて、買い物の手間がどんどんなくなっていくはずだ。

 

この本はそんなサブスクリプションの仕組みの始め方が丁寧に解説されている。

 

以下のようなデータを用いて科学的に進めていく方法がわかる。

顧客獲得コスト

1人あたりの収益

継続率、解約率

維持費用

コスト回収までの期間、何回更新してもらえばよいか

 

 

自社には関係ないと思っている企業は、ライバルがサブスクリプションを始めて足下をすくわれることになるだろう。

一生に一度しか買わないものを販売している会社ですらサブスクリプションの仕組みは導入できる。メンテナンス、使い方の情報提供、ユーザー間のコミュニティなど、商品自体を売る以外にもいろいろなサブスクリプションの方法がある。

 

退会の難易度を上げて退会しにくくすることや、ユーザーに更新の前に連絡せずに知らないうちに更新させるなど、やってはいけない例もまとまっている。

日本の携帯キャリアとかが当たり前のようにやっているのが最悪な状態ということがよくわかる。

 

購入だけでなくレンタルもサブスクリプションの対象になる。

ソフトウェアをクラウドで提供して月額課金するようなモデルは当たり前になってきていて、売り切りのソフトは近いうちに無くなるだろう。

 

ブランド物のバッグや時計や、子供向けのおもちゃのレンタルなどのサービスも出てきている。

また、倉庫をダンボール単位で貸すサービスがサブスクリプション化されていたりする。

 

カーシェアや駐車場シェアなども月額定額で使いたい放題のものが増えてくるだろう。

 

利用時間を定額で借りることが当たり前になってくると、購入する代わりにサブスクリプションを選ぶほうが多くなってくる。

 

アメリカでは髭剃りやパンツだけをサブスクリプションで販売している会社が、高額で大手企業に買収されるような事例も出てきている。

 

 

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

サブスクリプション・マーケティング――モノが売れない時代の顧客との関わり方

 

 

サブスクリプションはどの企業も導入を検討せざるを得なくなる仕組みなので、商品企画、マーケティングの担当者は読んでおいて損はない。