育児に役にたつかと思い、坪田信貴さんの「才能の正体」を読んだ。
坪田さんは、ミリオンセラー「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」通称ビリギャルの著者で、坪田塾を運営されている。
子供への呪いをかけないために読んでおいてよかったと本当に思ったので紹介。
読むと誰でも努力次第で、学力やスキルを伸ばして活躍できることがわかる。
元からの能力、地アタマは関係ない。
ただ、親が才能や地アタマを信じていると、子供にどうせできないと思い込ませるようなことを言ってしまうことがあり、それが子供の将来を潰してしまうことになりかねない。
たとえば両親の学歴がそれほど高くない場合、子供がよい大学に入れる学力が十分あったとしても、どうせ無理だからと否定することで将来の可能性を摘み取ってしまう可能性がある。
この本では主に勉強を例に説明されているが、ほかの分野でもすべて同じことが言えるだろう。
たとえば、音楽やスポーツなどの特殊技能で努力している子供がいたとする。
その子に一般的な仕事しかしたことがない親が、子供が音楽やスポーツを仕事して選択しようとしているのをやめさせるよう働きかけてしまう。続けていればすごく芽が開いて、天才と呼ばれるような人物になっていたかもしれないが、夢を摘み取って終了させてしまう。
成功するかどうかはやってみないとわからないが、少なくとも真剣に努力できるものがあることは幸せだし、続けないと大成するはずがない。
「やれば出来る」かはわからないが「やれば伸びる」のは確実と説明されているのが印象的だった。
第一志望の大学の受験で落ちたとしても、少なくとも塾に来る前よりは実力が伸びている。なので、それは失敗ではなく、人生を好転させることに繋がる。
動機づけがあって、正しいやり方で努力できて、継続できれば誰でも才能を開花させられる。
育児の観点で読んだのだが、仕事でも活かせそうな要素がいくつも掲載されていた。
特に印象的だった部分は以下だ。
とにかく初心者のうちはできている上級者の真似をすることが大切。それはほかの本でもよく言われている。
ただ、「才能の正体」では、真似の仕方で重大な注意点が解説されている。
上級者が言葉や文章で解説するのを参考にして真似すると、一度解釈を間に挟んでしまうので、そのまま真似するのは難しい。
説明してもらうにあたって、どうしても細かい部分が抜け落ちてしまうからだ。
そのため、デキる人の様子を動画に撮影させてもらって、それの一挙手一投足を完璧にコピーする。
これによって説明する人が言語化できない部分を拾ったり、自分の判断で余計な取捨選択をしてしまうことを防げる。
才能の意味を間違って認識していたことがわかる良い本だった。
誰もが才能を持っているが、気がつけていない。
子供が自分の才能を発揮できる分野を探せるように、環境をつくってあげたり、言葉で呪いをかけないよう注意したりしていく。