元USJの伝説的なマーケターである森岡毅さんの「苦しかったときの話をしようか」が最高だった。
娘に自分の仕事の体験談を語りつつ、仕事の選択方法ややりがい、生きかたなどを説明していく。
特に森岡さんがP&Gアメリカ本社に日本人初の大きな商品のブランドマネージャーに抜擢されたあとの以下のエピソードが印象的だった。
妬み嫉みから同僚のアメリカ人にイジメともいえる仕事の妨害を受け、結果を出すまでにメンタルにかなり影響を受けて会社に行きたくなくなったが、なんとか自分を奮い立たせて毎日通っていた。
会議の日程を自分だけ知らされない、ミーティングで英語をものすごく早くスラング含めて話すことで英語ネイティブでない森岡さんに理解しにくくする、面と向かって営業の責任者から余計なことをしないように言われるなど、かなり露骨なやり方で追い出されようとしたが、踏みとどまって結果を出した。
森岡さんのように優秀な人でも悩んで苦しんでいた時期があった。結果を出してきたのは、逃げなかったからだと本を読んでわかった。
組織内でどう立ち回るかについても参考になる話がいくつもあった。
あと、キャリアを選ぶ上での考え方をお子さんに説明しているパートもよい。
業界の選び方や自分の活かしかたなどをわかりやすく丁寧に教えてくれている。
自分も子供に向けてネタを書き溜めていって、中学生くらいになったときに説明してあげたい。大学に行ったり、どこかに勤務したりするのが当たり前ではないこと、選んだ業界の構造で報酬は決まること、報酬を超えてでもやりたいことがあるならそれを突き詰めたほうがよいことなどを教えてあげたい。
子供たちがよい大学に行き、よい企業に入るというのが当たり前と周りから刷り込まれてしまうのはかわいそう。なので、自分の子供以外にも伝える機会があるなら教えてあげたい。
親の世代の価値観を変える方法があれば、それも試してみたい。
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
- 作者: 森岡毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/04/11
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