『伸びる会社は「これ」をやらない!』という本を知り合いの経営者の方が薦めていたので読んでみました。
識学(=意識構造学)による組織運営理論をコンサルティングで提供している株式会社識学の代表取締役社長安藤広大氏が著者です。
ありがちな精神論ではなく、すごく納得感のあるノウハウがまとまっています。
読んでみると当たり前のような話に感じるのですが、実際に自分の体験に照らし合わせてみると、組織内でこの本に描かれているのと類似したやってはいけないことが蔓延っています。
部下を持つ人はぜひ読むといいと思います。
社長は管理職を飛ばして末端の部下に指示出ししてはいけない
これは社長だけに限らない話です。3階層の組織があったとして、2階層目に入っている人を飛ばして、末端の部下に直接指示を与えると、末端の部下は2階層目の人の言うことを聞かなくなります。
なぜかというと、一番えらい人の話を優先して聞くからです。
そのため、末端の部下から直接助言などを求められたら、2階層目の人に確認するよう伝えるのが正しい方法です。
上司は1人にする
上司にあたる人が2人以上いると、部下はどちらの言うことを聞けばよいのかわからなくなってしまいます。
また、部下が上司を評価するきっかけを与えてしまいます。
部下が上司をくらべて評価するようになると、他部署の上役のほうを向いてしまい、直属の上司の言うことを聞きわけづらくなることがあります。
モチベーションという言葉を使わない
飲み会やイベントなどでメンバーのモチベーションを上げるといった活動は不要だと説明されています。
どのような結果を求められていて、どう評価されるかを明示してあげて、あとはそれに向かって動けるようにするだけです。
向かう方向と、どんな結果を出せば評価されるのかがわかれば、自然と行動に結びつくようになり、そこにモチベーションは不要です。
「上司がモチベーションを上げてくれないから働く気にならない」というような考え方を少しでも部下が持つようになってしまったら、組織運営が難しくなります。
社員はお客さんではなく、社内で働く立場なわけですから、上司や会社を評論家的な目で見るようになってしまったら駄目です。当事者意識が欠如しています。
その当事者意識のない考え方を与えるきっかけになりかねないのが、働くメンバーのモチベーションを上げるという名目で行われるイベントなのです。
細かく指示しない
上司が些細なことにまで口出しして、どうすれば上手くいくかを指導するのは間違いです。いつまでたっても部下が成長しません。
目標を設定してあげて、部下が自分でそれを達成できるようになるのを待ちます。もし部下がその目標に到達する見込みがまったく無ければ、目標を細かくわけたり、少し手前に設定しなおしてあげて、また1人でやってもらいます。
できそうにないときに、横から指示出しをして、考える機会を取り上げてしまってはいつまでも部下は新しいことをできるようになりません。
まとめ
冒頭でも触れましたが、読んでみるとすぐに納得できることばかりなのですが、自分ができているかというと、まったく出来てなかったなと思うようなことがたくさん書かれています。
メンバーの感情や認識ではなくて、事実と向き合ってマネジメントできるようになるために一読の価値がある本だと思います。それぞれの立ち位置が明確になって、推進力が生まれそうです。