最高に面白い本を見つけたので紹介。
「恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方」という本だ。
ビジネス小説、自伝、暴露本?など、さまざまなタイプのカテゴリが当てはまりそうな内容なんだけど、別にどれでもない不思議な読後感。
フィクションや匿名・ペンネームでもなく、完全に本名なのにさらけ出しているのが著者本人のことですごい。しかも著者は上場企業のCFOを務めたり、いくつもの会社を上場させるなどの仕事をしてきたようなので、完全にバリバリのキャリアを積んできている人だ。なのに実名で恋愛遍歴を語るという普通の人の感覚だと罰ゲームに感じそうな内容。
自らの恋愛遍歴など、恥部をこれでもかというくらいにさらけ出していて、どんな経験を積んできたらこんなに自分を飾らずに語れるのか尊敬に値する。
自伝的な内容なんだけど、俺スゲーみたいな自慢話の羅列はまったくない。
著者がソフトバンクのグループ会社に入って、社畜として働きながら恋愛の悩みも乗り越えていく内容。
日本で最も偉大な創業経営者といっても過言ではない孫正義社長がADSL事業を立ち上げたときの混乱の様子が内部の視点から描かれている。
無茶振りが絶え間なく振ってきて、死ぬほど働いても終わらず孫社長や上司に詰められるという理不尽な状況で、どう生き残ってきたのかを読めるのはとても面白かった。
少し昔だからあり得た話で、いま同じような働き方を強制したら、確実にブラック企業として話題になって炎上しているだろう。当時のおおらかな環境のなかで、熱狂的かつ無茶苦茶な働き方があったからこそ、ソフトバンクは一代で大企業になることができたのかもしれない。
あと、著者がお弁当屋をオープンさせて潰すくだりがあるのだが、なんだか胃が痛くなりそうな経験を追体験できる。
恋愛依存症のボクが社畜になって見つけた人生の泳ぎ方 (ヨシモトブックス)
- 作者: 須田仁之
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2019/02/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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IT関連の仕事をしている人はすごく共感できるところが多いはず。
あと、いまの職場で仕事がきつくて悩んでいる人は、この本に書かれている働き方を読めば、たいしたことないと思えるかもしれない。