テザー(USDT)への疑惑がすごく話題になっている。
USDTは発行元が1USDT発行するごとに1米ドルをキープして資産として紐づけていると説明しているアルトコインで、法定通貨の代わりに仮想通貨の値下がり局面で逃げる先として使われてきた。
また、大手取引所のBitfinexと運営元が同じである。
法定通貨で売買するのは規制と本人確認などの都合で外国人にとっては難しい。
香港の取引所は米ドルをそもそも扱えないため、USDTを代わりに使っている。世界一の取引所バイナンスの拠点は香港にあるが、法定通貨の代わりにUSDTが使われている。
で、このUSDTだが、本当に1ドルを運営元が保管しているのかという疑惑が出ている。
最近メインの監査法人から契約を打ち切られていることや、米商品先物取引委員会が召喚状を送り調査の対象になっていることが報じられた。
これによって、紐付けられた資産が実はなくて無制限に発行し続けているのではないかという憶測が広まっている。
詳細は以下の記事で詳しく説明されている。
仮想通貨「テザー」の疑惑が本当なら、市場が崩壊するかもしれない──信頼性を損なう“事件”が続発|WIRED.jp
USDTが疑惑を持たれたことで、これによって資金の逃げ先がイーサリアム(ETH)になっているのではにないか。
今日ビットコイン(BTC)が100万円割れするほどの暴落を見せているが、ETHだけはそれほど下げていない。BTC建てのチャートを見るとずっと上がり続けている。
バイナンスのETH/BTCのチャート 記事執筆時点 30分足
ただ、USDTの代わりにイーサリアムに退避すると、法定通貨建ての変動リスクがなくなるわけではない。ただ、ビットコインキャッシュ(BCH)やライトコイン(LTC)などの他の有名アルトコインと比べると、ビットコインとの価格の相関が弱いので、退避先になりやすい。
ICOで最も使われていることもあり、実需が圧倒的に大きいのもETHの特徴だ。
BTCは決済と価値の保存用途でしか使いみちがないが、決済用途は手数料や送金にかかる時間などの問題で使い物にならないし、価値の保存も乱高下していて投機対象でしかなくなっている。
ETHはさまざまなアプリケーションが生まれていて、スマートコントラクトの新しい使いかたはこれからますます早いスピードで開拓されていくだろう。
USDTの代わりの退避先としてだけではなく、USDTとBTCに代わって基軸通貨になる可能性もある。いま多くの取引所がUSDTとBTCでほかのアルトコインを買う仕組みを導入している。
ETH建てで購入できる取引所もあるが、BTCがメインになっている。この立場が入れ替われば、ETHの需要はより増える。
仮想通貨市場全体にしめるビットコインの時価総額の割合をビットコインドミナンスと呼ぶが、その数字はしばらく下がり続けていて、33.27%になっている。
イーサリアムのシェアは22.94%なので、10%程度の差しかなくなってきている。
コインマーケットキャップからデータ参照
いまのペースが続けば近いうちにトップが交代することになる。
使われている量を考えると入れ替わってもおかしくないと考える。
これからどうなるか注視していきたい。