Brewdogという急成長中のイギリスのクラフトビールメーカーの創業者による本です。
創業からどのように成功していったかの体験談を交えながら、起業家とはどうあるべきなのかが学べました。
起業前の人や起業したばかりの人に良い本です。
使命を仕事にする
自分が心からやりたいと思える使命に取り組み、それを企業文化や商品に落とし込む方法について解説されています。
大義のある使命を掲げてこそ、社員もやりがいを感じることができるし、会社や商品のファンを増やしていくこともできると書かれていて、たしかにその通りだなと感じます。
自分の仕事がどう世の中を変えているのかが実感できているかどうかで、働き方は大きく変わってくるのは
いかに少ない費用でマーケティングをするかも紹介されていて、ものすごく尖ったことを風評被害や批判されるリスクをとって実施している例が紹介されています。
財務の大切さを語る
この手の起業成功体験を語る本ではあまり見かけない、財務の重要性がこれでもかというくらい書かれています。
キャッシュフローをよい状態に保つための具体的かつすぐに実践できる方法がいくつも紹介されています。
同じ投資金額で他社よりも10倍の効果を出すことを常に考えて効率を追求して、さらにキャッシュをできるだけ多く調達して積んでおくというのも、創業したばかりの起業家なら実践するとよいアドバイスだと思います。
銀行からの借り入れの金利をできるだけ下げるための交渉方法という細かい部分の体験も説明されています。
また、新しい資金調達の方法として、自社のビールのファンにクラウドファンディングの形式で株を持ってもらう斬新なやり方が紹介されています。
時間の使い方
経営メンバーは50%を現状の仕事とは別の改善や会社を前に進めるための方法を考えることに使うべきと説明しています。
いまの仕事に忙殺されているようではいつまでも前に進めないので、意図的に離れるべきというのは間違いなくその通りです。
また、とにかくスピードを重視していて、時間を節約して他社の何倍もの早さで成長させることを意識しているそうです。
間接費を毎日の業務でいくら使っているかを把握して、1日短縮したときの効果を知って、スピードを上げることの大切さを感じられるようにしています。
ブリュードッグでは、1日1,400万円かかっているそうです。
営業の方法について
第4章はすごく短いのですが、とても本質的な内容で販売について語られています。
1.商品に集中する
2.隠さず、誠実に
3.価格競争はしない
誠実に良い品質の商品を作って、他社と価格で競争はしないというシンプルながら、これ以上に書くことはないと思える内容でした。
まとめ
とにかく著者のはっきりとした物言いが痛快です。するべきでないことについて、はっきりと主張されています。
それに学者ではなく、実践を通じて身につけた考え方を公開してくれているので、納得感がすごくあります。
ビジネスではなく革命を起こすという発想で、自分のやっていることに熱量を持って働いていきたいものです。