ケンジツ

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書評「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」時間術だけでなく人生についても再検討させられるような本

元マイクロソフトで、伝説のプログラマーとして知られている中島聡さんによる時間術の本「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」を読みました。

 

私はIT業界にいることもあって、Life is beautifulという中島さんのブログをよく読んでいたので、興味を持って読みました。

 

中島さんの体験から、どういった仕事のやり方をすればスムーズに進められるのかがまとまっています。

とにかくわかりやすい上に、無理なく始められそうな内容だったので紹介します。

 

仕事が終わらない理由

1.安請け合いしてしまう

2.ギリギリまでやらない

3.計画の見積もりをしない 

p.48

 仕事がどれくらいの時間で終わるかどうかは手をつけてみないとわからないのに、ざっくりと概要を教えてもらっただけでできると判断してしまう。そのため安請け合いをしてしまう。

ギリギリまで手をつけずに、締め切り間際のラストスパートで終わらせようとする。徹夜をしたりすることになるが結局終わらない。

計画をしないから、途中で思いつきでやることを変更したり、予定になかったことを追加したりしてしまって、最後に終わらなくなる。

すべての仕事は必ずやり直しになる

すべての仕事がいきなり上手くいくことはなく、必ずやり直しになる。

早めのタイミングで7,8割できているプロトタイプを作ってしまって、 それを修正していく仕事をするべき。

仕事が終わらない人の共通点として、評価恐怖症なことが挙げられる。他の人に仕事が評価されるのが怖くて、自分の中で100点を目指してブラッシュアップをし続けてしまう。納期が遅れれば遅れるほど上司からは高いクオリティを期待されているような気になって、より出すのに心理的抵抗が生まれる。

石膏で像を彫刻するときに、いきなり眉毛から作り始める人はいない。大枠から削り始めて、徐々に細部に移行していく。

Windows95はバグが3,500残ったまま出荷された。

仕事は締め切り前に必ず終わらせる

仕事を締め切り前にきっちりと終わらせるための段取りの話として、待ち合わせ場所に時間どおりに行く例が挙げられている。

10時に駅の近くで待ち合わせしているとして、9時55分に駅に着くように電車に乗るのは、何か不測の辞退が起きたときに間に合わなくなる。9時30分に着いて、近くのスターバックスでコーヒーを飲んで待つようにすれば、電車が遅延したりしても100%間に合う。 

こうした段取りの仕方ができていないことが多い。締め切りの前に別の締め切りがあるという発想があれば、間に合わせることができる。

ラストスパート志向が諸悪の根源

仕事への典型的な誤った考え方

・見積もりはあくまで見積もりでしかなく、予定どおりに仕事が進むとは限らない

・締め切り目前に、徹夜でも何でもして頑張ることが大切

・それでもどうしても締め切りに間に合わなかった場合は、その段階でスケジュールを変更してもらうしかない

p.149

 

最初にのんびりしていて、最後に頑張ってなんとか帳尻を合わせるという考え方はやめなくてはいけないと説明されています。

ラストスパートをかける方法だと、最後の最後までタスクの本当の難易度がわからないので、ギリギリのタイミングになって実は終わらないということが発生します。

 

以下のような流れに変えることで、必ず終わるようにできると解説されています。これがこの本のメイントピックであるロケットスタート時間術です。

・すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す

・最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には、仕事量の8割を終える

・最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、期限を延ばしてもらう

・「仮眠をとる」と「マルチタスクをやめる」で、仕事の効率を上げる

p.183

 

 最初の2割の期間はドラゴンボールの「界王拳」状態になって、集中して仕事をするという話も紹介されています。他の情報をすべて断って、2日間こもって仕事をするそうです。

すでに多くの仕事を抱えている人がどうやって導入するか

いまの時点で大量の仕事をかかえていて、長期のプロジェクトなどもある人がどうロケットスタート時間術を導入するかも説明されています。

・大きな仕事は縦に切り分ける

・複数の仕事が並行するときには、1日を横に切り分ける

・それでも駄目なら納期延長を申し出る

p.215

縦に切り分けるというのは、長期のプロジェクトを、途中の区切りのいいところで分割していくということです。分割した中で2割の期間で一気に集中して8割を終わらせるというのを繰り返します。

いくつものプロジェクトが同時に走っているときには、1日の時間を4時間ずつなどに区切って、その時間の区切りの中で2割の時間と残りの8割で作業ペースを調整します。

勉強のための勉強はしない

勉強のための勉強をしても身につかないので、何かやりたいことや目標を見つけて、それを達成するために「調べる」ことで学ぶべきだと主張されています。

実践するための知識が必要なら、まずそれを始めてみて、実践しながら進めたほうが効率的です。

これは僕の経験から照らしてもその通りだと思います。英語をいくら勉強してもたいして話せるようになりませんでしたが、外国で仕事をする機会を得て、必要に迫られると話せるようになりました。

好きなことを仕事にすれば集中できる

最後の章では、自分が本当にやりたいことを仕事にしていれば、集中力なんか意識しなくても勝手に集中できるということが説明されています。やっていて楽しくてしょうがないことであれば、 時間を忘れて没頭できます。

集中力は、好きだからこそ自然に出てくるもので、好きでもないものに対して無理やり絞り出すものではない p. 238

時間術とは違ったテーマですが、まさにその通りだと思います。

まとめ

たいていの時間管理の本はいかに短縮するか、効率的にするかについて語られていますが、この本は集中力や時間の配分が中心で語られていました。

このタイプの時間管理術や仕事術の本は今まであまりなかったので、とても参考になりました。

明日からロケットスタート時間術を実践していきます。

まずはタスクリストを書くところからはじめます。

 

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である